PortaBase 1.6
- A portable database -
1)Introduction
2)ファイル選択画面
3)フォーマット編集画面
4)列挙管理画面
5)列挙編集画面
6)ビュー編集画面
7)データ表示画面
8)レコード編集画面
9)レコード表示画面
10)記述画面(編集/表示)
11)ソーティング編集画面
12)フィルター編集画面
13)CSVインポート
14)データエクスポート
15)設定画面
16)Command line usage
17)暗号化
1)Introduction
PortaBaseは自分でテーブルを設定し、作成し、表示し、編集することのできる小さなデータベースプログラムです。一般的な用途はメディア一覧、リファレンスチャート、TODOリスト、買い物リスト、などなどです。以下のような機能があります:
- 文字列、整数値、数値、真偽、ノート(複数行のテキスト)、日付、時刻、それから列挙型のフィールドタイプ。
- カスタムデータビュー(任意のフィールドの組み合わせ)。
- 複数の条件を組み合せた表示データのフィルター。
- 任意のフィールドに昇順、降順を指定した組み合わせでのソート。
- ページあたりのレコード数を指定した状態での、ページナビゲーションボタン。
- 随時フィールドの追加、削除、再編集、リネームが可能。
- フィールドのデフォルト値指定。
- CSV、XML、MobileDBファイルからのデータインポート。
- CSV、XMLへのデータエクスポート。
- コマンドラインでの形式変換(XMLとPortaBaseファイルの相互変換、CSVとPortaBaseファイルの相互変換、MobileDBからPortaBaseファイルへの変換)。
- Unicodeサポート。
- 利用可能な全てのフォントからアプリケーションで使用するものを選択可能。
2)ファイル選択画面
ファイルタブでPortaBaseファイルをクリックしてプログラムを起動した時を除いて、最初にファイル選択画面が表示されます。ここで表示されたファイルをクリックして開く(zaurus版)か、あるいは"ファイル"メニューやツールバーから以下のオプションのいずれかを選択します:
- 新規 - 新しいファイル(暗号化されたものも可)を作成します。
- 開く - 選択されているファイルを開きます。
- 削除 - 選択されているファイルを削除します。(Zaurus版のみ)
- リネーム - 選択されているファイルの名前を変更します。(Zaurus版のみ)
- コピー - 選択されているファイルを、すぐの下に新しい名前でコピーします。(Zaurus版のみ)
- 再読み込み - ファイルリストを更新し、最新のファイル追加・削除状況を反映します。(Zaurus版のみ)
- インポート - XMLまたはMobileDBファイルから新しいファイル(暗号化されたものも可)を作成します。まずインポートするファイルのタイプ、次いで作成するファイル名、最後にインポートするファイル名をを入力するプロンプトが表示されます。使用されるXMLフォーマットについてはPortaBaseのホームページを参照して下さい。
- 設定 - 設定画面を起動します。
- 終了 - PortaBaseを閉じます。
3)フォーマット編集画面
PortaBaseファイルはそれぞれ、ユーザーが定義したフォーマットのテーブルを1つ含んでいます。このテーブルのフォーマットは一連のデータフィールドから決定されており、フィールドはそれぞれ名前、データタイプ、デフォルト値を持っています。PortaBaseファイルの新規作成時にはこのダイアログが表示され、データフィールドを定義することができます。既存のファイルのフィールドもいつでも、データ表示画面の"ファイル"メニューの"フォーマット編集"を選択し、このダイアログを使って編集できます。
現在のフィールド定義が1フィールドにつき1行の形で、レコード編集画面で表示されるのと同じ順番で一覧表示されます。これらのフィールド定義は、ダイアログ下部のボタンを使って操作することができます:
- 作成 - リストの最後に新しいフィールド定義を作成します。名前、データタイプ、そしてデフォルト値を入力するための小さなダイアログが表示されます。(もしこのダイアログのタイプリストから"(新しい列挙)"を選択した場合、これを追加するための列挙編集画面が起動されます。)デフォルト値は、既存のデータレコードのこのフィールドに入力され、新しいレコードを追加する時にもレコード編集画面に表示されます。
- 編集 - 選択されているフィールド定義を編集します。データタイプは変更できないことに注意してください。デフォルト値が変更されると、この新しいデフォルト値が新規レコード作成時のレコード編集画面で表示されます; 既存のレコードには影響しません。
- 削除 - 選択されているフィールド定義を削除します。このフィールドに入力されているデータはすべて失われます。
- 上げる - 選択されているフィールドのリスト上での位置を一つ上げます(それに伴って、レコード編集画面上でも一つ上の位置に表示されます)。
- 下げる - 選択されているフィールドのリスト上での位置を一つ下げます(それに伴って、レコード編集画面上でも一つ下の位置に表示されます)。
テーブルフォーマットに行った変更は、OKボタンが押されるまでは適用されません: 代りに"X"/"Cancel"ボタンが押されると、変更は破棄され、元々のファイルのフォーマットが残されます。新規ファイルのフィールド定義注に"X"/"Cancel"が押された場合、ファイル作成はアボートされます; それ以外の時は、どちらかのダイアログクローズボタンを押すとデータ表示画面に移ります。
4)列挙管理画面
PortaBaseは列挙型のフィールドタイプをサポートしています。このフィールドの値は選択可能な文字列値のセットの内の一つになります。列挙管理ダイアログを使って、列挙型の作成、編集、削除、表示順の変更ができます。
ダイアログの大部分は、現在定義されている列挙型の一覧で占められています。画面下部には、フォーマット編集画面と同様のボタンが一行に並んでいます:
- 作成 - 列挙編集画面を起動し、列挙型を定義します。新しい列挙型は編集ダイアログで"OK"がクリックされた時点で登録されます。ダイアログの"OK"ボタンがクリックされなかった場合は登録されませんのでご注意ください。
- 編集 - 列挙編集画面を起動し、選択されている列挙型を編集します。作成の時と同様、編集ダイアログで"OK"がクリックされた時に編集結果が適用されます。
- 削除 - 選択されている列挙型を削除します。この列挙型を使用しているフィールドがある場合、これらも削除される旨の警告が表示され、続けてよいかと訊ねられます。この列挙型(と関連するフィールド)は"OK"がクリックされた時ではなく、即座に削除されます。
- 上げる - 選択されている列挙型のリスト上での位置を一つ上げます(それに伴って、フィールド編集画面のタイプリストでの順番もひとつ前に来ます)。
- 下げる - 選択されている列挙型のリスト上での位置を一つ下げます(それに伴って、フィールド編集画面のタイプリストでの順番もひとつ後に来ます)。
列挙型の表示順序に行った変更を適用するには"OK"をクリック、表示順を(列挙型の追加および削除の分を除いては)変更せずに終わるには、"X"/"Cancel"をクリックします。
5)列挙編集画面
このダイアログでは列挙型フィールドタイプの名前と、それに含まれる列挙値を定義することができます。このダイアログには列挙値のリストと、他の編集ダイアログの大半と同じボタンのセットがあります:
- 作成 - 新しい列挙値を追加します; 列挙値にする文字列を入力するためのダイアログが表示されます。
- 編集 - 既存の列挙値を編集します。この列挙値を使っているものは全て新しい文字列で更新されます。
- 削除 - 選択されている列挙値を削除します。この列挙値が使用されている個所を、どの値で置き換えるかを尋ねるダイアログが表示されます。
- 上げる - 選択されている列挙値のリスト上での位置を一つ上げます(それに伴って、ドロップリストから選択する時の表示位置も一つ上に来ます)。
- 下げる - 選択されている列挙値のリスト上での位置を一つ下げます(それに伴って、ドロップリストから選択する時の表示位置も一つ下に来ます)。
行った変更内容を適用するには"OK"を、列挙値を変更しないで終了する(あるいは新しい列挙値の追加をキャンセルする)には"X"/"Cancel"をクリックします。
6)ビュー編集画面
データ表示画面でのデータベースの内容をブラウズでは、データ"ビュー"の1つを見ることになります。ビューはデータベース内のフィールドのサブセットで、指定した並び順、表示幅で表示されます。データベースはデフォルトで、レコード編集画面で表示されるのと同じ順序でデータベース内のすべてのフィールドを表示する"全てのフィールド"ビューを持ちます。
ビューはビュー編集ダイアログを使って定義されます。ダイアログの最上部にはビューの名前が入ったテキストボックスがあります; これを変更するとビューがリネームされます。これに続いて、このビューに切り替えた時にデフォルトで使用されるソーティングとフィルターを選択できるドロップリストがあります; "なし"を選択すると、現在のソーティングとフィルタがそのまま変更されずに使われます(この設定は、よく使うビュー、ソーティング、フィルターの組み合わせがあるとき、ビューを選択して、それからソーティング、それからフィルターと選択していく必要をなくしてくれます)。この下にはデータベース内のすべてのフィールドを表示した表があり、各フィールドのわきにはこのフィールドがこのビューでの表示対象になっているか否かを示すチェックボックスがあります。ダイアログの最下段には、表中内での選択されている行の位置を上下させ、ビューでのカラムの順序を変更するための"上げる"と"下げる"ボタンがあります。"OK"を押して現在表示されている設定を受け入れるか、あるいは"X"/"Cancel"を押して以前の値に戻します(あるいは新しいviewの追加をキャンセルします)。
7)データ表示画面
これはこのアプリケーションのメインの画面で、ここでデータベースの内容をブラウズし、他のダイアログの大半を起動することができます。この画面上には以下があります:
レコード表示・操作部
データ表示画面画面の大部分は一つのビューを使って、データベース内のレコードの一部を表示している表で占められています。画面左下のスピンボックスには現在のビューで1度に表示するレコード数を示しています; この値は好きな正数に変更することができます(表の表示部の右側にスクロールバーが表示されないような小さい値に設定すると、ちょっとだけ横方向の空間が広がります)。"ページごとのレコード数"ボックスの右側には、ページナビゲーション用のボタンがあります。この数字が振られたボタンのいずれかをクリックすることで、そのレコードページに移動できます; 現在のページは押された状態で表示されています。前の5ページ、または次の5ページのボタンを表示させるには、端にある矢印ボタンをクリックします。
データ表示部のセルをクリックし、そのまま0.5秒かそれ以上してから離すと、特別な機能が実行されます。ノートフィールドのセル上でこれを行った場合、記述画面(表示)でノートの内容が表示されます。他のタイプのフィールド上でこれを行った場合、クリックしたレコードを対象としてレコード編集画面が起動されます。
レコード上でダブルタップするか、レコードが選択された状態でスペースかEnterを押すとレコード表示画面が起動されます。
フィールドラベル
フィールドラベル行にはフィールド名関連の情報を提供するいくつかの追加機能があります。現在のビューでフィールド表示幅を変更するには、二つのフィールドラベル間の境界(あるいは、最後のカラムであれば右端)をクリックし、望みの位置までドラッグします。フィールドラベルをクリックするとそのフィールドの内容の昇順でソートされます; 再度そこをクリックすると降順でソートされます。フィールドをクリックし0.5秒かそれ以上そのままにしてから放すと、そのフィールドのサマリー情報を含むダイアログが表示されます; サマリは現在のフィルターを通過したものだけが対象になっています。
ファイルメニュー
"ファイル"メニューにはデータベース全体に適用されるオプションが含まれています。以下があります:
- レコード - このサブメニューには、データのうち一つのレコードのみに適用されるアクションが入れられています。これは理想を言えばトップレベルのメニューにしたいのですが、Zaurusの大多数の機種の画面では、そのための空間が不足しています。
- 保存 - ファイルが開かれてから、あるいは最後に保存されてから行われた全ての変更を保存します。最後に行った変更を保存せずにPortaBaseを終了すると、それらの変更は失われてしまいます(このようなことが起ころうとすると、ダイアログが現れて警告が表示されます)。このオプションは現在のデータベースが開かれてから、あるいは最後に保存されてからまったく変更が行われていない時には選択できないようになっています。
- パスワード変更 - データファイルのパスワードを変更するためのダイアログを起動します(暗号化されたファイルでのみ表示されます)。
- インポート - CSVファイルからレコードのインポートを行うことができます。
- エクスポート - 現在のデータベースの内容をCSVまたはXMLファイルにエクスポートすることができます。
- フィルターに含まれるレコードを削除 - 現在使用しているフィルターに含まれるレコードを全て削除します。
- フォーマット編集 - フォーマット編集画面を起動します。
- 列挙管理 - 列挙管理画面を起動します。
- 設定 - 設定画面を起動します。
- 閉じる - 現在のファイルを閉じます; 保存されていない変更がある場合は、これを保存するかと聞かれます。
"レコード"サブメニューには以下が含まれます。:
- 作成 - 新しいレコードを作成します(レコード編集画面が起動されます)。
- 編集 - 選択されているデータレコードを編集します(これもレコード編集画面を使用します)。
- 削除 - 選択されているデータレコードを削除します。
- コピー - 新しいデータレコードを作成しますが、レコード編集画面はあらかじめ、デフォルト値の代わりに現在選択されているレコードのデータが入力されています。
ビューメニュー
"ビュー"メニューではビューの選択と管理ができます。このメニューの先頭部には3つのオプションがあります:
- 作成 - データベースファイルに新しいビューを追加します。このオプションを選択すると、名前は未指定、全てのフィールドが未チェックの状態で、ビュー編集画面が起動されます。
- 編集 - 現在表示されているビューを編集します。このオプションを選択すると、現在のビューの名前とフィールド状態でビュー編集画面が起動されます。
- 削除 - 現在表示されている削除を削除し、"全てのフィールド"ビューに切り替えます。"全てのフィールド"ビューを削除することはできません。
メニュー内のこれらの項目より下は現在のデータベースに定義されている全てのビューのリストで、現在表示されているものの隣にチェックがついています。別のビューに切り替えるには、表示したいものをこのメニューから選択します。
ソートメニュー
"ソート"メニューでは、ソーティング(表示順)の設定の選択と管理ができます。このメニューの先頭部には3つのオプションがあります:
- 作成 - データベースファイルに新しいソーティングを作成します。このオプションを選択すると、名前が未指定で、全てのフィールドがチェックされていない状態でソーティング編集画面が起動されます。
- 編集 - 現在使用されているソーティングを編集します(命名済みのソーティングがすでに使用されている時のみ選択できます)。このオプションを選択すると、現在のソーティングの名前とフィールド状態でソーティング編集画面が起動されます。
- 削除 - 現在使用されているソーティングを削除します(命名済みのソーティングがすでに使用されている時のみ選択できます)。
メニュー内のこれらの項目より下は現在のデータベースに定義されている全てのソーティングのリストで、(ソーティングを使用しているときは)現在使用されているものの隣にチェックがついています。レコードのソート方法を変更するには、使用したいソーティング設定をこのメニューから選択します。もし現在のビューで表示されているフィールドの1つでソートしたいだけであれば、代りに"フィールドラベルのクリックでのソート"機能を使う方が早いでしょう。
フィルターメニュー
"フィルター"メニューには、表示対象にするデータレコードを選択するためのオプションがあります。このメニューの先頭部には4つのオプションがあります:
- 簡易 - 一時的な一つの条件だけでのfilterを、簡単に指定できます。全てのレコードを表示しなおす(または別のフィルタを定義して使用する)には、メニューの下部から適当なフィルターを選択してください。
- 作成 - 新しいデータフィルターを定義します; これは、名前が未指定で、何も条件が定義されていない状態で
フィルター編集画面を起動します。
- 編集 - 使用しているデータフィルターを編集します(これもフィルター編集画面を使用します)。"全てのレコード"フィルターは編集できません。
- 削除 - 使用しているデータフィルターを削除します。"全てのレコード"フィルターは削除できません。
メニュー内のこれらの項目より下は現在のデータベースに定義されている全てのフィルターのリストで、(フィルターを使用していれば)現在表示されているものの隣にチェックがついています。別のフィルターに切り替えるには、表示したいものをこのメニューから選択します。
ツールバーボタン
共通的に使われる操作に素早くアクセスするための4つのツールバーボタンがあります。以下がそうです:
8)レコード編集画面
レコード編集画面はデータのレコードを追加または編集する際に表示されます。データベース内の一つのフィールドが1行で表示されます; 左側にはフィールド名が、右側には現在の値があります。新しいデータレコードを追加する際は、デフォルト値が表示されます; 既存のレコードを編集する際は、現在の値が表示されます。日付フィールドの値を編集するには、現在の値の左に表示されているボタンをクリックします; これは新しい日付を選択できるカレンダーウィジェットを起動します。希望する値に編集し終えたら、"OK"を押して現在表示されている設定を適用するか、あるいは"X"/"Cancel"を押してレコードの追加(追加をしている場合)をキャンセルし、または値を(編集している場合)元のままにして終了します。
9)レコード表示画面
レコード表示画面は1レコード内の全データを閲覧するのに便利なようにデザインされたダイアログです。レコード編集画面と同様、左側にはフィールドラベルが、右側にはその値があります。ただし、値を編集することはできず、折り返し表示されますので横方向にスクロールさせなくても全体を見ることができます。ノートの内容は先頭の数語が表示されるのではなく、全文が表示されます。画面下部の矢印パッドにある左向き、あるいは右向きの矢印を押すと、現在の表示されているレコードを変更することができます。画面下部の編集ボタンを押すと現在のレコードを対象にレコード編集画面が起動されます; "OK"をクリックするとデータ表示画面に戻りますし、それ以外であればレコード表示画面に戻ります。
10)記述画面(編集/表示)
"ノート"フィールドタイプは(短い1行のテキストにより適する"文字列"タイプとは対照に)複数行からなる一かたまりのテキストです。この大きなサイズのカラムの長所はその(とてもシンプルな)ダイアログです。レコード編集画面とフィールド編集画面のデフォルト値の設定部のどちらでも、ノートの値はノートのアイコンと(納まる分だけの)ノートの内容の先頭部が含まれたボタンとして表示されます。全文を表示または編集するにはボタンを押します; 全画面の記述編集ダイアログが現れ、ノートの現在の記述が表示されます。"OK"をクリックして行った変更を適用するか、"X"/"Cancel"をクリックして元の内容に戻すことができます。
ノートフィールドはデータ表示画面でも少し特別な扱いがされます。ノートフィールドのフィールドラベルにはこれがただの文字列フィールドではないことを示すノートのアイコンが含まれます。フィールドの各セルは納まる限りのノートの内容を表示します。これらのセルを押し0.5秒かそれ以上そのままにしてから放すと、読取り専用の状態で記述画面が表示されます。"OK"と"X"/"Cancel"のどちらをクリックしても、これが閉じてデータ表示画面に戻ります。
11)ソーティング編集画面
データ表示画面のフィールドラベルのクリックは、データベースの内容を一つのフィールドでソートする便利な方法です。しかし、時にはフィールドの組み合わせでソートしたいと思うでしょう; フィールドAの内容でソートし、フィールドAの値が等しいグループ内ではフィールドB、などというように。これをする時や、現在のビューでは表示されていないフィールドでソートするには、ソーティングを定義する必要があります。
ソーティングは、ビュー編集画面に非常によく似たソーティング編集ダイアログで定義されます。ダイアログの先頭はこのソーティングの名前を含むテキストボックスです: これを変更するとこのソーティング名が変更されます。この下にはデータベース内の全てのフィールド名が表示されている表で、それぞれの隣にはソート対象であるか否かを示すチェックボックスがあります。このチェックボックスをクリックすることで、それをソート条件のセットに加えたり、セットから削除することができます。チェックがされたセルの、表中の3番目のフィールドはソート順が"昇順"か"降順"と表示されています; 逆にするにはこの表示をクリックします。ダイアログの最下段には表中で選択されている行を上下に動かす"上げる"と"下げる"のボタンがあり、ソートでこのフィールドが使われる順番を変更できます。チェックされたフィールドの内最上段にあるものでまずソートされ、このフィールドが同じ値のレコードはチェックされたフィールドの内、次に高い位置にあるもので、というふうにソートされます。"OK"をクリックして現在表示されている設定を適用するか、"X"/"Cancel"で元の値に戻します(あるいは新しいソーティングの追加をキャンセルします)。
12)フィルター編集画面
このダイアログでは、データ表示画面で表示されるレコードを選択するためのフィルターを定義することができます。フィルターは"count = 1"のような単純なものも、"いずれかのテキストフィールドが'java'を含み、chapters > 10、pages <= 400、instockがチェックされているもの"のようなより複雑なものにもできます。"フィルター"メニューからフィルターを選ぶと、データ表示画面は定義された条件にマッチするものレコードを対象とするように表示が更新されます。
ダイアログの先頭はこのフィルターの名前を含むテキストボックスです; これを変更するとこのフィルター名が変更されます。この下はフィルターを構成する条件のリストです; レコードがフィルターをパスするには、この全ての条件を満たさなければいけません。"追加"、"編集"、"削除"、"上げる"、"下げる"を使って、基本的にはフォーマット編集画面と同じ要領で条件を編集することができます。ただし、フィールド編集画面ダイアログの代りに、"追加"、"編集"ボタンで条件編集ダイアログが起動します。このダイアログでは、比較に使われるフィールド、使用する比較条件、比較する固定値を選択することができます。テキストの比較には、大文字小文字を区別するか否かを表わすチェックボックスもあります。1フィールドで比較する代わりに、"テキストフィールド"を選択することもできます; レコード中のいずれかの文字列またはノートフィールドの値が条件を満たしていれば、そのレコードは条件を満たしていると見なされます。"OK"をクリックして現在表示されている設定を適用するか、"X"/"Cancel"で元の値に戻します(あるいは新しいフィルターの追加をキャンセルします)。
13)CSVインポート
PortaBaseはCSV(カンマ区切りテキスト)ファイルからデータレコードをインポートすることができます。これにより、表計算や他のデータベースソフトからエクスポートされたデータをインポートすることができます。やり方は以下の通りです:
- データをインポート先になるPortaBaseファイルを開きます。新規ファイルにインポートしたい時は、あらかじめ新しいファイルを作成し、インポーとするデータに合ったフィールド構造を定義します。
- データ表示画面の"ファイル"メニューから"インポート"を選びます。ファイルセレクタが現れ、利用可能なCSVファイルが全て表示されます; インポートしたいファイルを1つ選択します。CSVファイルは、開かれているデータベースファイルと同じカラム数で、各カラムの値は定義されているカラムのタイプに合っていなければいけません。
- インポートされるファイル内のレコードがデータベースに追加されます。この手順を繰り返すことで、他のファイルからさらにレコードを追加することも、同じファイルを再度インポートして同じレコードを追加することもできます。
備考:
- インポートされるテキストファイルはUTF-8にエンコードされていなければなりません。
- 真偽フィールドの値は0か1でなければなりません。
- 日付フィールドはYYYYMMDD、YYYY/MM/DD、YYYY-MM-DD、YYYY.MM.DDのいずれかの形式にします。
- 時間フィールドはHH:MM:SS、HH:MM:SS AM、HH:MM、HH:MM AMのいずれかの形式か、00:00からの経過秒にします。空白と-1は"None"として処理されます。
14)データエクスポート
PortaBaseは現在、2つの形式: CSVとXMLでのエクスポートをサポートしています。データインポートとは逆に、この操作でデータベースの内容を表計算、テキストエディタ、他のデータベースプログラムなどに移すことができます。以下が現在のデータベースをエクスポートする手順です:
- データ表示画面の"ファイル"メニューから"エクスポート"を選択します。
- ドロップリストからエクスポートしたいファイルの形式を選択します。CSVでエクスポートした場合、現在のフィルタをパスしたレコードだけがエクスポートされます。XMLでエクスポートした場合、データベース構造(カラム定義やビュー、フィルターなどを含みます)もエクスポートされます; ファイルサイズはデータファイルの2倍以上になると思いますので、ストレージに十分な空き要領があるか確認してください。
- 作成するCSVまたはXMLファイル名を入力します。
- エクスポートを完了するには"OK"を、操作をキャンセルするには"X"/"Cancel"ボタンをクリックします。
15)設定画面
このダイアログでPortaBaseアプリケーション全体の設定ができます。これには以下のセクションがあります:
フォント
"フォント"セクションでは使用可能なものすべての中からフォントとサイズを選択することができます。このフォントは別のフォントを選択するまでの間(PortaBaseを終了して再起動したとしても)、このアプリケーション中の中のすべてのテキストで使用されます。例えば日本語を表示するために"unifont, 16"を選択することもできますし、画面中にできるだけ多くのテキストを収めるために"smallsmooth, 9"を選択することもできます。
全般
"全般"セクションには以下のオプションがあります:
- 削除時の確認 - レコード、ビュー、ソート方法、フィルターを削除しようとした時に、確認ダイアログを表示させるにはこれをチェックします。これは、他のものをクリックするつもりで何かを削除してしまうといったアクシデントを減らします。
- データ表示画面でチェックボックスの変更を許可 - データ表示画面で、真偽値のチェック状態を、該当のセルをクリックすることで変更できるようにするには、これをチェックします。これでPortaBaseをTODOリストなどに使う時にはより便利になりますが、データの値がちょっとしたアクシデントで変わってしまい易くなる面もあります。
- 秒を表示 - データ表示画面やレコード表示画面などの時刻フィールドで、秒を表示するか否かを切替るためのものです。
- ノートの折返し位置 - 記述画面(表示/編集)で、手作業で改行をいれなくても、自動的に折返しをするようにします。デフォルトでは空白の位置でのみ折返しをしますが、ドロップリストの値を変更して、空白の有無にかかわらず行末で折返しをさせることもできます。(これは日本語のような、空白を使わない傾向のある言語では非常に便利です。)
tend not to use spaces.)
日付と時刻
このセクションはPC版のPortaBaseにのみ存在します。ザウルス版のPortaBaseでは、システムの日付と時刻の設定を使用します。しかし、デスクトップPCではこの情報をプラットフォームに依存せずに取り出す良い方法がありませんので、以下を指定する必要があります:
- 日付表示 - データ表示画面やレコード表示画面などで使用される日付値のフォーマットです。
- 時刻表示 - 表示を24時間標記にするか12時間標記(AM/PM付)にするかです。
- 週の先頭 - 週の初めの曜日です; これは日付入力ダイアログの表示に適用されます。
"OK"をクリックして現在表示されている設定を適用するか、"X"/"Cancel"で変更せずに閉じます。
16)Command line usage
PortaBaseはLinux/ザウルスのターミナルやDOSプロンプトから使用し、グラフィカル・インターフェース抜きでデータをインポート/エクスポートすることができます。これは、PortaBaseのデータファイルを生成し、更新し、その他の操作をするようなスクリプトを書く時には非常に便利です。"portabase -h"を実行すると、使い方の説明が表示されます; 概要としては、以下ができます:
portabase fromxml
xmlfile pobfile - "xmlfile"で指定されたPortaBase形式のxmlファイルから、"pobfile"で指定された新しいPortaBaseのデータファイルを生成します。
portabase fromcsv
csvfile pobfile - "csvfile"で指定されたCSVファイルから、"pobfile"で指定された既存のPortaBaseデータファイルにレコードを追加します。
portabase frommobiledb
mdbfile pobfile - "mdbfile"で指定されたMobileDBファイルから、"pobfile"で指定された新しいPortaBaseのデータファイルを生成します。
portabase toxml
pobfile xmlfile - "pobfile"で指定されたPortaBaseのデータファイルから"xmlfile"で指定された新しいxmlファイルを生成します。
portabase tocsv
pobfile csvfile - "pobfile"で指定されたPortaBaseのデータファイル内のレコードから"csvfile"で指定された新しいCSVファイルを生成します。
暗号化済みファイルからのデータの抽出、暗号化済みファイルへのレコード追加、暗号済みファイルの生成には、変換コマンドの直後(以下に示す他のオプションの前)に-v
passwordと入力します。
"toxml"または"tocsv"とエクスポート元になるPortaBaseファイル名の間に、以下のオプションを入れることができます:
-v
ビュー名 - エクスポートの際に指定されたビューを適用します。
-s
ソーティング名 - エクスポートの前に指定されたソーティングを適用します。
-f
フィルター名 - エクスポートの前に指定されたフィルターを適用します。
PortaBaseのXMLフォーマットと、これを使った便利な使い方(HTMLへの変換など)の詳細は、PortaBaseのホームページ(http://portabase.sourceforge.net)をご覧ください。
17)暗号化
パスワードなどのように取り扱いに注意を要する情報を守るといった要求に答えるため、PortaBaseデータファイルを暗号化することができます。暗号化されたファイルは、ファイル作成者が設定したパスワードを入力することでアクセスできるようになります(このパスワードは後から、"ファイル"メニューの"パスワード変更"で変更することができます)。このパスワードは覚えられる程度に易しいものにせざるを得ないため、これが暗号化使用時に最大の弱点になります; 良いパスワードを選ぶことが重要です。パスワードは以下のガイドラインに従うべきです:
- 6文字かそれ以上の長さにすること; 長いほど良い(上限はありません)
- 大文字小文字、数字、句読点の組み合わせを含めること。
- 個人情報(友人/関係者/ペットの名前、住所や電話番号など)からつけないこと(あるいは意図的にスペルミスをいれること)。
- 覚え易いこと; もし上の内容に沿った"良い"パスワードを選ぶことができれば、あなたのデータは現実的には覗き見不可能です。
セキュリティ及び実装上の理由から、暗号化されたファイルの入力内容は一度にメモリに保持されます; したがって暗号化されたファイルは暗号化されていないファイルほど大きなサイズにすることはできません。数百から2、3千レコードのファイルは問題なく扱えますが、数千のデータレコードがある場合はそうは行かないと思います(Zaurusの場合です; より多くのメモリを積んだデスクトップコンピュータであれば、はるかに大きな暗号化されたファイルを扱えます)。
PortaBaseでの暗号化の詳細(使用しているアルゴリズムなども含む)は、PortaBaseのホームページ(http://portabase.sourceforge.net)をご覧ください。
----
Copyright 2002-2003 by Jeremy Bowman.
(jmbowman@alum.mit.edu)
----
和訳文の誤訳、誤字、疑問点等がありましたら、Makio Tsukamoto (walrus@digit.que.ne.jp) までご連絡ください。